マタニティセラピーを始めた理由(安産・逆子・不妊)

0.目次

1.はじめに
2.指圧での施術
3.一人目の出産
4.二人目不妊と出産
5.整体(活法)での施術
6.インディバで妊娠!?(不妊治療)

1.はじめに

 近頃、産前産後・妊娠中のトラブル解消や不妊治療として、鍼灸・マッサージ・整体が選ばれるようになってきたと思います。その反面、妊娠中はマッサージなどをしてはいけないと思った、という声も聞きます。シーベルズ大磯では、不妊治療から妊娠中のマイナートルブル(安産のための身体づくり、逆子、つわり、腰痛、むくみ、陣痛寄せ)、産後の体のケア(骨盤調整、乳汁分泌不全、産後うつなど)を行っております。
ここでは、シーベルズ大磯がマタニティセラピーに携わってきた経緯についてをお話したいと思います。

2.指圧での施術

 私は以前、女性専用の治療院に籍をおいておりましたが、そちらでは、妊婦さんの全身マッサージを行っていました。トラブルに対応するというよりも、全身のコリをほぐすことで、母体の調子を整えつつ、赤ちゃんが元気に産まれてくるようにサポートするという目的でした。妊婦さんのマッサージをしてくれる治療院は少ないようで、みなさんマッサージを受けた後は、「体が楽になった!」と喜んでくれて、そして、無事赤ちゃんが産まれたという報告を、私もととても嬉しかった記憶があります。当時は、まだ子どもがいなかったのですが、妻が妊娠したら、ぜひマッサージをしてあげようと思っていました。

 出産前にお母さんの体の状態をよくしていくと、産後の肥立ちも良く、母乳の出も良くなるものです。また、胎児の発育にも良いと思っています。何よりマッサージは、気持ち意良いもの。母の喜びは、お腹の赤ちゃんにも伝わるのではないでしょうか。

 私の指圧整体マッサージは、横向きを重要視するので、妊婦さんにも安心して受けられます。予定日ギリギリになってもマッサージはできます。しかし、その場合はいつ陣痛が起こるかわからないので、産院に行ける準備をして、来院いただきます。

3.一人目の出産

 妻が妊娠して、どこでお産をするのか、夫婦で話し合いました。当時、妻(シーベルズ院長)は35歳でいわゆる高齢出産です。しかも初めての出産であるため、リスクを考えれば病院で出産するのが賢明な選択です。しかし、妻の友人で自宅出産をした方がいて、経験談を聞いていましたし、その友人のお産を担当した助産師さんが、たまたま近くに住んでいたので、すぐに連絡してお話をすることができました。そして、自宅出産を決めました。

 自宅出産のトラブルは、インターネットで調べるとたくさんヒットします。検診を受けた産婦人科の先生も、いい顔はしません。「妊娠は病気ではない。だから、自然に産まれるはずだ」と、安易に考えている訳でもありません。古くからお産は、死と隣り合わせだったということも重々承知しております。それでも、現代医療の検査技術を駆使し、そして母体の状態が良ければ、そういったリスクはかなり減らせるだろうと思いました。例えば、江戸時代に、前置胎盤だったら、どんなにお母さんの状態が良く見えても、高い確率で母子とも最悪な結果になってしまうでしょう。

 現在、自宅出産は、私たちが望んでも、逆子や妊娠高血圧症などのトラブルがあれば、病院での出産になるのです。それに、病院での出産トラブルも、実は調べてみるとたくさんあるのです。(母子の死亡率は、現代医療のおかげで低いのですが、それ以外のトラブルがあるのです)。そこで、安産のために自分たちができることを色々と調べて、取り組み始めました。

  妊娠中は、鍼灸マッサージだけでなく、運動や食事にも気を配りしました。8ヶ月までは仕事をしていましたが、できる範囲でケアを行いました。しかし、妻には悪いですが、逆子にならないかなと、少し思った事もありました。逆子のお灸は昔からある治療術で、鍼灸専門学校の教科書にもツボが紹介されています。私は今までに治療経験がなかったので、妻で試してみたかったのです。結局、逆子にならなかったですが、今思うと、それでよかったです。その後、マタニティ鍼灸の勉強を本格的に始めて分かったことは、単純に逆子のツボにお灸をするだけでは、治る確率は思うほど高くないということです。日常生活のアドバイスやその他のケアをしているから、逆子の改善率が高いのです。 改善率の高い鍼灸師は、そういうことをしているのです。

 つわりは、結構ひどかったのですが、残念ながら、思ったほど改善はしませんでした。良い意味で捉えれば、入院するほどひどくならなかったので良かったかな、という程度です。その後、臨床経験が豊富な先生に聞いたのですが、つわりは自然なことだし、完全にとめるのは難しい。半分でも楽になれば大成功ということでした。現在、シーベルズ大磯での、つわりの治療は、そのようなスタンスで取り組んでいます。

  出産は、いたって順調でした。産後のトラブルもほとんどありませんでした。強いていえば、下腹部にお肉がたっぷりついたことでしょうか(笑)。安産という結果は、十分にケアをした結果だと思っております。

 出産後、妻も自身の経験から妊婦ケアの必要性を感じ、マタニティ専門で女性鍼灸師で構成している団体(安産灸ネットワーク)で研修を受けることになりました。その後、担当していただいた助産師さんが、助産院を開業したので、妻はそちらで仕事をする事になりました。私も妻から勉強させてもらい、妊婦さんに対して鍼灸でサポートできることがたくさんあることや、その反面、妊婦さんを扱うリスクを知りました。

 自宅出産をしたと知り、シーベルズ大磯の先生達は、「ちょっと変わり者なのではないか?」と思わないでください(笑)。私たちは、自分が納得できる出産をしたく、その方法がたまたま自宅出産だっただけです。私たちは、自宅出産や助産院での分娩を、勧めている訳ではありません。現代は、様々な出産方法があり、各人それぞれの事情があります。ですから、出産方法をそれぞれのニーズに合わせて選択できるのは、とてもよい世の中だと思っています。自然分娩、フリースタイル分娩、計画分娩、帝王切開、無痛分娩、和痛分娩、水中出産などなど、どの方法で分娩を決めたとしても、妊娠中の生活習慣や健康状態がとても大切だと思っています。なぜなら、、出産がゴールではなく、母子ともに健康でいられることが一番大切だからです。医者や助産師に信頼を寄せることはとても大切なことですが、すべてをおまかせにしないことです。マタニティセラピーをしている鍼灸マッサージ師にできること(にしかできなこと)も、たくさんあるのです。

4.二人目不妊と出産

 子どもが2歳になった頃から、二人目が欲しいなと思いましたが、1年以上経っても子どもが授かりませんでした。いわゆる二人目不妊です。そこで今度は、不妊の治療に興味を抱くわけです。

 鍼灸院で不妊を専門にしているところも結構多いですし、ハリウッド女優が鍼灸で妊娠したという報道もありました。妻には検査は受けてもらいました(卵管が狭いなどの器質的な問題がある場合は、それを治療しなければなりません)。結局、異常はなかったので、鍼灸治療をすることにしました。今では不妊の原因の半分は男にあるという報告も多く出ているので、本来は私も検査に行くべきだったのですが、その時はまだ認識が甘かったです。今なら行くでしょう。今後は男性に対する治療も盛んになってくると思われます。

 東洋医学の観点では、不妊の大敵は冷えですが、妻には冷えがありませんでした。そのときに思い出したのが、以前はり治療の研修を受けていた先生の言葉でした。「腰痛を治療していると、時々、不妊で悩んでいたという人から妊娠の報告を受けた」というものでした。現在の私の腰痛のはり治療は、この先生から教わったものを採用しておりますが、腰の一番深い筋肉に長くて太い鍼を入れるという方法です。これがある種の腰痛には非常に効果があるのですが、この治療だと下半身の冷えや便秘が治ったりもするのです。

 解剖学的にも、腰の奥の筋肉の近くには、骨盤の神経や下半身への動脈が走っておりますので、骨盤内に何かしらのよい効果があるのではないかと思っております。妻は軽い腰痛もありましたから、早速治療しました。ズシンと良い鍼の響きがありました。結果、翌々月には、妊娠が判明したのです。これは偶然なのか、治療効果なのかは分かりませんが、妊娠しなかった1年を考えると・・・。

  二人目の妊娠中のケアに関しては、多忙もあり、また妻も自分でケアする術を知っておりますから、私はほとんど関与しませんでした。出産は、妻が勤務している助産院で行い、二人目もおかげさまで安産でした。とっていも、へその緒が短くて苦労しました。一人目も同じだったので、どうやら体質なのかもしれません。

 2回目の出産では、妻のお灸の師匠が駆けつけてくださり、陣痛を促す施術や(促進剤を使わないでお灸で陣痛を強めることができる!)、出産後の伸びた子宮を元に戻す治療などをしてもらいました。助産師さんも、少ない出血量にびっくりしておりました。噂に聞いていた一流のベテランの治療を近くで見て、すごいなと感心しておりました。

 シーベルズ大磯では、上記のような出産中および出産直後の治療はしておりません。しかし、出産翌日以降から、お母さんの疲れをとることを目的とした経絡オイルマッサージを行っております。出産中は、ホルモンの仕業もあり、限界を超えたパワーを出しています。出産後は、どっと疲れがでるので、それを少しでも楽にすることで、産後の状態をよくすることができます。退院後からすぐにマッサージができますので、ご相談ください。

5.整体(活法)での施術

 その後、私が所属している整体の団体である活法研究会で「マタニティ」を専門にしたセミナーが開催されました(現在、マタニティ専門セミナーは諸事情により廃止しております)。活法研究会の講師で、マタニティトラブルを多く扱っている鍼灸師の先生が、活法(整体)を用いることで幅が広がり、逆子の改善率が上がったことを報告されていました。また、新潟の助産師さんが病院の出産現場でマタニティ活法を行い、大変素晴らしい効果をあげているという話を聞きました。驚くような話ばかりで、これはぜひマスターしたいと思いました。活法(整体)の技は、私が既にしっている技術がが多かったので(マタニティ用に少しアレンジされている)、すぐにマスターできるようになりました。

 対応可能な症状をあげると、つわり、逆子、肩こり、腰痛、こむらがえり、お腹の張り、手足のむくみ、手足のしびれ、脚のつけねの痛み、胃もたれ、胸やけ、おっぱいの出が悪い、産後の骨盤回復、産後の尿もれなどがあります。以前は、全身マッサージをすることで、全体的な調子を整えるという施術のみでしたが、今では症状にあった整体も加えて、治療もすることができるようになりました。

 たとえば、逆子の治療では、美波院長のお灸がメインとなりますが、逆子のお灸でなかなか改善しない場合は、私が
整体をおこないます。お腹の形がいびつな場合や、お腹の一部に張りが強い場合に、整体をすることで、お腹の状態よくすることができます(直接、お腹は触れません。整体の刺激も、やさしいものなので安全です)。
逆子のお灸の改善率が高いので、私の出る番はあまりないのですが・・・

6.インディバで妊娠!?(不妊治療)

 当院で使っている「インディバ」という高周波の温熱医療機があります。主に、美容やダイエット、筋肉や関節の痛みの治療として使っているのですが、実は以前から、インディバで施術をすると妊娠する、という話をよく聞きました。実際に、私も不妊治療という大げさなものではなくて、身体を温めることで体調をよくすることを主な目的として、ついでに妊娠できたら嬉しいな~という感じで、患者さんにも了承を得て、施術を続けたら、実際に3か月で妊娠することができて、私もビックリしたという経験がありました。

 インディバで妊娠するという理屈はまだまだ分かりませんが、インディバは、高周波のエネルギーで体の深部まで温めることができる医療機器です。こういった、医療機器はあまりありません。体の深部(子宮など)まで温めると、よい結果がでているのは、妊娠するのに都合がよい環境になっているのだと思います。インディバ本社でも、全国のサロンからそういう報告を受けているのか、妊娠に関する情報を集めているようですので、今後何か発表があるかもしれません。シーベルズ大磯でも、インディバを積極的に使って、妊娠しやすい身体づくりのサポートしていきたいと思ってます。

 はり治療やインディバによる妊娠報告を受けて、こういった経験をいろんな人に話すと、不妊治療を裏メニューにするのではなく、正規のメニューとして出した方が良いと思うし、不妊で悩んている人がたくさんいるから喜ぶ人が多いと思うよ、というご意見をたくさんいただきました。よって、シーベルズ大磯では、不妊治療(本当は【不妊】という言葉があまり好きでないのですが、分かりやすので使用しています。)を、行っていきます。

 妊娠のための身体作りに関しては、別途、記事を書きたいと思っておりますが、インディバ+はり+整体で、
骨盤内の血流及び骨盤の動き・機能を高めることで、人間が本来持っている妊娠力を高め、妊娠の確率を高めることができると考えています。不妊鍼灸をしている治療院は、刺激のないはり治療を行い、お灸や温熱器であたためるといった「やさしい治療」が多いかもしれませんが、シーベルズ大磯の不妊治療は、非常にパワフルです。体にガツンと刺激を与えて、体を変えていきます。体の奥底で眠っている魂を呼び起こす!?と言っていいかもしれません。

 また、本格的に不妊治療(妊娠のための身体づくり)を始めるにあたって、最新の不妊治療の情報や知識を身に付けたいと思い、「日本不妊カウンセリング学会」に加盟しました。2014/11現在で、不妊カウンセラー養成講座を2回受講しております。3回受講しますと、不妊カウンセラー認定試験の受験資格を得ることができます。順調にいけば、2016年の春には、不妊カウンセラーとして認定されるかと思います。病院で、一般不妊治療(タイミング法、人工授精、薬物療法)や高度生殖医療(ART)【体外受精(IVFーET)、顕微受精(ICSI)】を受けられている方や男性不妊の方も、安心して当院の治療と併用できることをお伝えできればと思っております。