安産に向けてのボディケア

1.はじめに

妊娠中は、喜びと同時に、腰痛や足のつり、冷えといったマイナートラブルや、お産に対する不安を抱えやすい時期でもあります。

「妊娠中の今から少しでもできることはないかな?」そんな思いでスマホを検索してみると、きっと以下のような情報がたくさん出てくるのではないでしょうか。

  • 適度な運動(ウオーキング、ストレッチ、アクアビクスなど)
  • 温活
  • 体調管理(体重、血圧、睡眠、血糖値、ストレスコントロール)
  • リラックス(呼吸法、マタニティヨガなど)
  • 骨盤底筋トレーニング

しかし、具体的なやり方が分からず立ち止まってしまう妊婦さんは非常に多いです。妊娠中の体はとてもデリケートです。良かれと思って始めた自己流のケアが、かえって母体に負担をかけてしまうことも少なくありません。

妊娠中の適切なボディケアは、不調を和らげるだけでなく、「安産」に向けた大切な体づくりの第一歩であることをご存知でしょうか?

本記事では、妊娠期のデリケートな体との付き合い方や自宅でできるケアについて、国家資格である鍼灸マッサージ師免許を持ち、助産院での施術経験がある美波院長が、専門家の視点からわかりやすく解説します。

2.安産に向けての体作り

私が思う安産とは、

【できるだけスムーズにお産が進むこと】

そして

【母子ともに健康であること】です。

安産に向けての体づくりとして、シーベルズ大磯が提案させていただくのは「お灸」と「マッサージ」です。

2-1.安産のお灸

安産のお灸は、千年以上前から行われてきた日本の伝統医学ですが、意外にも知られていないのが実情です。

「お灸でお産を軽くすることができるなんて初めて聞いた」という方がほとんどだと思います。

安産のお灸は、千年以上前から行われてきた妊婦さんに優しい日本の伝統医学で、お産を楽にし、赤ちゃんが元気に産まれ、良いおっぱいがでて、産後の肥立ちを良くする(体調を整える)と言われています!

※AIで生成したイメージ画像です

2-2.マタニティマッサージ

妊娠中にマッサージを受けてはいけないと思っている方がいらっしゃいます。また、妊婦さんのマッサージを御断りしているところも多いので、受けたくても受けられない方がいらっしゃいます。

一番心配なことは、流産だと思うのですが、妊娠初期の流産のほとんど(約80%以上)は、受精卵の染色体異常など「胎児側の原因」であり、母体の行動(仕事をした、転んだ、マッサージを受けたなど)が直接の引き金になることは医学的にほぼ無いと言ってよいでしょう。

古今東西、妊婦さんへのマッサージは行われていました。日本でも、西洋医学が導入されるずっと前の江戸時代やそれ以前から、妊婦さんへのマッサージ(マッサージという言葉は使われていませんでしたが)は存在しました。

科学的なエビデンスという概念がなかった時代から、人類は経験則として「妊婦の身体をほぐし、労わること」が安産に繋がることを知っていたと言えます。

だからといって、誰にマッサージをしてもらうかは、よく検討した方が良いと思います。不適切なマッサージの刺激により、体に良くない影響を及ぼすことは十分に考えられます。これは妊婦さんに限ったことではありませんが。

妊娠中に起こる身体の不調は、腰痛、頭痛、肩こり、むくみなど人それぞれです。しかし、妊娠中はお腹の子どものことを考えると薬も飲めず、我慢しているという経験をされている方が沢山います。初めての妊娠であればなおのこと。そのネガティブな感情は胎児にも伝わってしまいます。

マッサージで心身をリラックスさせることは、安産に向けての体づくりとしてとても大切なのです。当院では、マタニティマッサージを多くの妊婦さんに薦めしたいケアと考えています。実際に私たちは、多くの妊婦さんたちにマッサージを行ってきました。

Warning

医師の許可(メディカルチェック)が絶対条件

マッサージを許可するかどうかは、母体と胎児の健康状態に大きく依存します。医師はエコー検査や血圧などを通して、「切迫早産のリスクはないか」「前置胎盤や低置胎盤ではないか」「妊娠高血圧症候群の兆候はないか」などを総合的に判断します。

これらに問題がなく、順調な経過をたどっていれば、担当医からマッサージの許可が出ると思います。

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ご自宅で毎日行う【安産のお灸】
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【マッサージ】による体のケア

3.安産のお灸

安産灸とは、千年以上前から受け継がれてきた妊婦さんのための伝統的なお灸です。最大の特徴は、自宅で行う「毎日のセルフケア」である点です。

妊婦専門の鍼灸師から、正しいツボの位置やお灸の据え方の指導を受け、以降はご自身で据えていただきます。定期的に専門家の見直しを受けながら、出産に向けた準備を進めていく養生法です。

3-1.期待できる効果

お産には「子宮の収縮力」「産道の柔軟性」「赤ちゃんの耐久力」の3大要素が必要とされます。安産のお灸を毎日続けることにより、3大要素の獲得が期待できます。

安産のお灸の効果を具体的に挙げると以下のようなものがあります。

  • お母さんの体調を整え、足のむくみやだるさが楽になる
  • 妊娠時の腰痛・足のつり・便秘・むくみ・気分の落ち込みなどを軽減
  • 出産時には、お産に有効な陣痛がつきやすくお産が軽くなる
  • 子宮内の環境を整え、胃腸の丈夫な子供が生まれる
  • 赤ちゃんに酸素たっぷりの血液を流すので、「頭のよい子」が生まれる
  • 産後の肥立ち(体力回復)がよく、母乳の出が良くなります。
  • 一時の過度な冷えや疲労が加わり逆子(骨盤位)になってしまった場合、安産のお灸をしていなかったお母さんと比べ逆子の戻りがよい

3-2.「安産のお灸」のツボ

安産のお灸で使用するツボは、『三陰交(さんいんこう)』です。有名なツボなのでご存じの方も多いかもしれません。 ツボの位置は、内くるぶしの上方その方の手の4本指幅で脛骨(けいこつ)の後ろ際を押すと痛いところです。

ツボに詳しい方だと、三陰交が「堕胎(流産)を招く恐れのあるツボ」として古くから知られており、妊娠中の刺激してはいけないツボの代表格とされている、ということをご存じかもしれません。

現代の西洋医学において「素人が指で三陰交を少し押しただけで、健康な妊娠が即座に流産に至る」という科学的なエビデンスはありません。

しかし、「三陰交を刺激すると子宮が収縮する」というのは、単なる東洋医学の言い伝えではなく、現代の臨床データでも裏付けられた事実でもあります。ですから、三陰交の扱いは非常に慎重になる必要があります。本やネットなどで調べて、自分で適当にツボをとってお灸をしても効果がないばかりか、リスクになる可能性もあります。

妊婦さんの三陰交はミリ単位で位置・目的・効果とその結果がまったく違います。また、週数によって、お灸の回数(熱さの刺激)を変えています。ですから、妊婦さんを専門に治療している鍼灸師にきちんと指導を受けましょう!

当院では、院長がツボの位置をマークし、お灸のやり方を指導します。妊婦さんがご自身で、三陰交に毎日お灸をすえることにより、安産のための身体づくりができます。

※妊婦さんの体調と週数によって、ツボの位置が少しずつ変化するので、月1回のツボの見直しが必要です。

安産のお灸は、妊娠5ヶ月(妊娠16週)を過ぎ、胎動を感じたら始めるのがベストです。もし、ベストの時期を過ぎてしまったとしても、安産のお灸はいつからでも始められます。

お仕事をされている方が産休に入ってから(出産予定日の6週間前)、逆子の治療(28週以降)をきっかけに始めたというケースもございます。本音としては、妊娠16週を過ぎ、胎動を感じたら、お灸を開始してほしいですね。

美波先生

胎動を感じ始めたら【安産のお灸】!!

3-3.お灸について

お灸には、「直接灸」と「間接灸」があります。

「直接灸」は、鍼灸師が行う治療のお灸です。もぐさを米粒の半分ほどにひねり、ツボに直接熱を伝えます。 安産灸としてさせていただく直接灸は、チッとするくらいでヤケドや痕が残ることは、ほぼありません。

「間接灸」は、患者さんがご自宅でしていただくお灸です。つぼに間接的に熱を伝えるお灸です。 安産灸として行う場合、痕が残ることはありません。 また簡単に行えるので、毎日妊婦さんご自身で行っていただきます。 専用のお灸の販売もしています。

副作用は、鍼灸師の指導通りに行っていただければほとんどありません。 刺激が多ければ効果出やすいのでは?と、お灸の数を多くしたり、熱さを我慢したりする方もいらっしゃいますが、刺激を過度に行うと、水ぶくれ・お灸の瘢が残る、全身倦怠感・疲労感などが出る場合があります。

妊娠期に活躍するお灸には、ほかに「逆子のお灸」がございます。 別に記事を書いておりますので、ご覧になってください。

3-4.安産のお灸をはじめるきっかけ

安産のお灸をはじめようと思う妊婦さんにはどのような方が多いのでしょう?

今までお会いした妊婦さんには、以下のような安産灸をはじめるきっかけがありました。

  • 昔から行われている方法なので信頼できた
  • 友人や助産師さんから「お灸がいいよ」と勧められた
  • 初産で何もかもが初めてで、専門家に相談しながらケアしたかった
  • 「少しでもお産を軽くしたい」「自然なお産がしたい」という願い
  • 上の子の妊娠中に辛い体験をされた(つわり、腰痛、お腹の張りなど)
  • 上の子の出産で辛い体験をされた(微弱陣痛、長時間の出産など)
  • 流産を数回経験し、やっと安定期まで経過。出産まで出来ることは何でもやりたいと思った
  • マイナートラブル(腰痛・つわり・足のつり・むくみなど)や逆子の治療がきっかけで、安産の灸の存在を知った
  • VBAC(帝王切開後の経膣試験分娩)へ向けての体つくりをしたい

もちろん『安産のお灸』はお灸をするだけではありません。東洋医学には必ず「生活養生」(生活上のアドバイス)が含まれます。

産科を専門に勉強し、施術経験の豊富な性鍼灸師のアドバイスも活かしていだければと思います。

4.シーベルズ大磯のマタニティマッサージの特徴

当院では、「マタニティ指圧整体」と「マタニティオイルマッサージ」があります。 特徴としては以下のものがあります。

マタニティ指圧整体を行う姿勢は、うつ伏せにならず、横向き・仰向け(上向き)の全身ケアです。

マタニティオイルマッサージでは、お腹があまり大きくないときは、うつ伏せで行うこともあります。この時は、クッションを用いて、お腹に負担がかからないようにします。

上向きは少し注意が必要です。仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群といって、大きくなった子宮が背中側の太い静脈を圧迫し、急激な血圧低下や脳への血流不足(気分不快、失神)を引き起こすことと言われています。長時間、仰向けで施術をしなければ問題ありません。実際にこのような訴えは今まで一度もありません。

万が一、気分が悪くなっても、左向きで少しお休みすれば、すぐに回復するといわれています。

4-1.国家資格を持った施術者が行います

あんまマッサージ指圧師は、国が認めた「国家資格」です。

免許取得には、国が指定する養成施設で3年以上学び、解剖学や生理学などの専門知識と技術を修得し、国家試験に合格する必要があります。

一方、整体等は民間資格や無資格の場合が多いです。国家資格保持者は医学的知識に基づいた安全で信頼性の高い施術を提供できるため、安心してご利用いただけます。

4-2.マタニティ指圧整体

一般的なマッサージは、うつ伏せ(下向き)で行うことが多いのですが、当院では、妊婦さんかどうかに関わらず「横向き」の姿勢でのマッサージを普段から取り入れております。妊婦さんにとって、一番楽でリラックスできる姿勢です。昔ながらの伝統的な指圧マッサージは横向きで行っていましたが、最近ではうつ伏せのマッサージがメインとなっています。

横向きのマッサージは、技術が必要だと思っています。ですから、普段うつ伏せがメインでマッサージを行っている施術者が、妊婦さんを横向きにしてマッサージをしようとしても、うまくできないのではないでしょうか?? 指圧の詳しい内容に関しては、別の記事がありますので、そちらをご参照ください。

整体は、活法(かっぽう)という古武術整体を取り入れております。活法は、マタニティ用に少しカスタマイズしております。 安産のための体作りという目的とする場合は、全身の指圧マッサージを基本に、所々に活体の技を入れています。

活法整体は、「筋肉調整術」とも言えます。筋肉の正常な働きを取り戻し、そのことで関節の正常な働きも取り戻すことができます。単純に筋肉や関節が調整されるだけでなく、全身の動きの連動性まで回復させることができるのが大きな特長です。これは、指圧マッサージだけでは、なかなか難しいことです。

全身の動きの連動性が回復すると、痛みや違和感がなくなるだけでなく、動きやすい身体や軽い身体になります。お母さんが動きやすい身体や軽い身体になるということは、そのまま赤ちゃんにもあてはまるのだと考えています。これが、活法整体による身体の調整です。

活法整体では、妊娠期に起きる様々なマイナートラブルにも個別に対応することできます。症状が目立つ場合は、活法整体で緩和してから、指圧マッサージを行っています。 対応できる症状としては、例えば、つわり、逆子、肩こり、腰痛、尾てい骨痛、こむらがえり、手足のしびれ、手足のむくみ、脚のつけねの痛みなどがあります。

整体というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?マタニティケアを行う上で、重要なのが安全性です。

活法整体は、相手に「無理な力を加えない」ことを重要視しております。活法整体の一部は、患者さんに動いてもらう体操のようなものがありますが、妊婦さんの力を使用し、施術者はそれをサポートする程度の力しか加えません。ですから、非常に安全性が高いと言えるでしょう。

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4-3.マタニティオイルマッサージ

当院のオイルマッサージは、経絡緒オイルリンパマッサージを妊婦さん用にアレンジしています。 経絡緒オイルリンパマッサージとは、東洋医学の経絡(複数のツボがつながっている身体のライン)という考え方と、西洋医学のオイルマッサージを融合させたマッサージで、「自然治癒力を最大限に引き出し、健康で美しい状態に導いていく」が本来のコンセプトです。

全身のオイルトリートメントとなっており、力強くダイナミックな手技で、真のリラクゼーションに導きます。妊婦さんに行う場合は、適切な刺激量で行っていきます。オイルは、国産のグレープシードを主に使用しております。精油(アロマオイル)は、安全性を考慮して、使用しておりません。

5.安心して素晴らしいお産を迎えるために

妊娠中は、お腹の赤ちゃんを第一に想うあまり、ご自身の体の不調や不安をじっと我慢してしまうお母さんが少なくありません。しかし、ママが心身ともにリラックスして笑顔で過ごすことは、お腹の赤ちゃんにとっても何よりの安らぎになります。

ご自宅で毎日行う【安産のお灸】
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【マッサージ】による体のケア

★出産が楽になる

骨盤周り、股関節周りの筋肉を、定期的にほぐしておくことで、出産時に赤ちゃんが通りやすいように骨盤が開き、股関節が柔らかくなり、出産が楽になります。

また、肩甲骨と骨盤の関係を重要視しておりますので、肩こりをしっかりほぐします。

妊娠初期から定期的にケア受けておくことで、精神面での疲労の軽減、出産に関わる筋肉のベストな状態、血流、体液、エネルギーの好循環をはかることができ、消耗の少ない出産が可能になります。

★産後が楽になる

出産が楽だと、産後も肥立ちがよいです。また、育児が始まると背中、腕、肩、腰に疲労がたまりやすくなります。

ですから、妊娠期からこれらの部位の筋肉をケアしておくことで、負担軽減につながります。妊娠中に肩こりをほぐしていくと、母乳が出やすいと言った効果もあります。

また、赤ちゃんも健康なので、子育てがしやすという声が多いです。

例えば、赤ちゃんの「ぐずり」。これは多くのお母さんにとって育児中の大きな悩みです。泣き止まない赤ちゃんを前に、「私の育て方が悪いのかな」と自分を責め、睡眠不足も重なって心身ともに疲弊してしまう方は少なくありません。

赤ちゃんのぐずりは、胃腸の未発達や体の緊張など「不快感」のサインです。妊娠中にお灸やマッサージで母体を整えると、赤ちゃんの内臓や自律神経が丈夫に育ち、ぐずりの少ない穏やかな子になりやすいと言われています。

★まとめ

「安産のお灸」や「マタニティマッサージ」は、お産に向けた体づくりをサポートするだけでなく、産後のスムーズな回復にも繋がる古くからの知恵です。ただし、デリケートな時期だからこそ、専門的な知識を持つ国家資格者による正しい指導・施術が欠かせません。

当院では、お一人おひとりの週数や体調に合わせた施術と、ご自宅でできるセルフケアの指導を通じて、健やかなお産のお手伝いをさせていただきます。

「お灸は初めてで不安」「妊娠中のつらさを誰に相談していいか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。 あなたらしい素晴らしいお産を迎えられるよう、一緒に準備をしていきましょう。