日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
目次
日本体育協会から日本スポーツ協会へ
平成30年4月1日付で日本スポーツ協会に変更になりました。表記もJASAからJSPOに変更になっています。
以下の記事は、2016年に投稿いたしました。
この記事の修正はまだ行っていません。
旧:日本体育協会
新:日本スポーツ協会
旧:JASA-AT
新:JSPO-AT
こちらに置き換えてご覧にいただければ思います。
1.スポーツトレーナになりたい
スポーツトレーナーの活躍がマスコミで紹介されることが多くなり、スポーツトレーナーになりたいという人が増えています。私もその一人です。大学卒業後に一般企業に就職をしましたが、スポーツに携わる仕事がしたいと思い、退職をしました。何の仕事をするかと色々と調べてところ、スポーツトレーナーという職業を知りました。
思い起こせば、私は幼稚園の頃からサッカーをしていましたが、良く怪我をして、その度に接骨院の先生にお世話になっていたことを思い出しました。スポーツトレーナーは、何となく自分には向いているのではないかと考えるようになりました。私の場合は、最初から、スポーツトレーナーになりたかったという訳ではなかったのです。
ですから、例えばグランドキーパーのお仕事もとても惹かれましたが、現実的でないと思い選択肢から外しました。
2.スポーツトレーナーの歴史
昔は、はりきゅうマッサージ師や柔道整復師がスポーツ選手を治療しながら、リハビリやトレーニングなどをして、スポーツトレーナーと呼ばれるようになりました。しかし、スポーツトレーナーには公的な資格がありませんので、誰でもスポーツトレーナーと名乗ることができました。医療知識・技術がない人たちまでもが自称スポーツトレーナーとして、選手を管理していると言う状況が増えてきました。
一方、アメリカではスポーツトレーナーの公的資格(NATA)があり、この資格を取得する日本人も増えてきました。スポーツトレーナー業界は玉石混交となりました。そこで、一線で活躍しているスポーツトレーナー達がこの状況を危惧し、日本にも有力な資格を作ろうということになり、日本体育協会の認定資格として誕生したのです。
3.「スポーツトレーナー」と「アスレティックトレーナー」
「スポーツトレーナー」というのは、日本では現在のところ、別に資格は要りませんので、スポーツの指導をするならそう名乗ることができます。「アスレティックトレーナー」とは、「スポーツトレーナー」の中の資格のひとつで、日本体育協会の認定の民間資格(JASA-AT)です。
ただし、今後、日本のナショナルチームに帯同する際には「アスレティックトレーナー(JASA-AT)」の資格が必要になると言われていますし、プロ野球球団で活躍するトレーナーも資格取得をすすめられているそうです。サッカーなど日本代表などはすでに必須の資格が医療資格(理学療法士や柔道整復師、鍼灸師など)とJASA-AT資格者となっています。
4.渡邉航也の場合
私は、日本でスポーツトレーナーとして活動するには、鍼灸マッサージ師の資格と(財)日本体育協会公認アスレティックトレーナーの資格を得るのが一番の近道だと考えました。そこで、鍼灸マッサージ師の免許が取得できて、かつ(財)日本体育協会公認アスレティックトレーナーの勉強もできる専門学校に入学をしたのです。そして、何とか鍼灸マッサージ師とJASA-ATの資格を得る事ができました。
5.JASA-ATについて
平成6年からJASA-ATの養成コースがスタートした。20年を過ぎましたが、一般的にはこの資格の存在を知らない人の方が多いのではないでしょうか?JASA-ATの合格率はかなり低く、平成21年の時点では、全国で1500人しか誕生していません。ですから、資格取得者が少ないのが現状です。JASA-ATを難しい試験にしている理由は、スポーツ選手の命に関わる仕事であるため、一定のレベルを確保しなければならないからです。
しかも、誰でも試験が受けられるわけではありません。受験資格を受けるには2つの方法があり、1つは以前からスポーツトレーナーとして活躍しており、それが都道府県の体育協会やスポーツ団体に認められて推薦を受けた人が1年間の講習を受けること。もう1つは、日本体育協会から認定を受けたスポーツ系の大学や専門学校で2年間の講習を受けることです。それでようやっと試験が受けられるのです。
私は後者のパターンで、はりきゅうマッサージ専門学校でJASA-ATの勉強をして、3回目の試験で晴れて合格となりました。
6.JASA-ATとしての活動
JリーグはJASA-ATの資格を有するスポーツトレーナーを所属されることを義務付けています。オリンピックや国体に派遣するスポーツトレーナーは、JASA-AT保有者を優先的に選んでいるようです。また、トレーニング系の雑誌で有名な「ターザン」を見ると、スポーツトレーナーがよく登場しますが、プロフィールを見ると、日本体育協会アスレティックトレーナ(もしくはJASA―AT)と記載されています。やはり有力な資格であることは間違いありませんね。
しかし、JASA-ATの資格をとったからすぐに仕事ができるというわけではありません。生活できるだけの給料をもらっている人は実はほんの一握りです。スポーツ現場でのニーズは大変高いのですが、予算がでないという状況なため、多くの人が低い賃金やボランティアで働いているというのが現状です。JASA-ATの価値を高めていくには、皆様から対価を払ってでもスポーツトレーナーを雇いたいと思われる存在になる必要があります。また、スポーツトレーナーを存在意義やチームや学校にスポーツトレーナーがいることの効果を検証していく必要があるでしょう。
7.各学校にJASA-ATを
最近では、運動部活動における安全管理と事故防止の重要性がますます高まっています。JASA-ATの運営委員会が、JASA-AT 有資格者数を当面の目標として平成32 年(2020 年)までに有資格者を3,000 名にし、将来的には各高等学校約5,000 校に1名を配置することを目指しますと表明しました。
私もこの話を聞いた時に、臨床心理士などスクールカウンセラーとして、各学校に配置されるようになったのだから、JASA-ATも将来的には同じようにできるのではないかと思いました。東京オリンピックは、JASA-ATを広めるチャンスなのではないかと思っています。
8.最後に
現在はスポーツ現場での活動はしておりません。治療室内で施術をしながら、スポーツコンディショニングに関するアドバイスをしております。
2003~4年に県立高校のサッカー部でコーチ兼スポーツトレーナーとして活動していました。その頃は学生だったので、まだ鍼灸マッサージやJASA-ATの免許は持っていませんでしたが、自分なりに一生懸命やらせてもらいました。未熟でうまくいかない事も多く、学生たちにとってどこまで役に立てたかは分かりませんが、私としてはとても充実した日々でした。いつか機会があれば、また現場で活動をしたいと思っています。