指圧

1.はじめに

 私は「指圧師」です。

 指圧は、日本で生まれた手技療法の一種で、100年以上の歴史をもち、医療(正確には医療類似行為)として厚生労働省で認められています。指圧を行うには、医師や看護師と同じように一定の期間定められた学校で学び、国家試験を受け合格しなければなりません。国家資格の正式名称は、「あんまマッサージ指圧師」です。「あんま」「マッサージ」「指圧」は、それぞれ発祥が異なり、方法(技)も違います。しかし、似ている部分もあるため、3つが合わさって1つの資格となっています。

 一般的に、手で押したり揉んだりさすったりする行為は、「マッサージ」と呼ばれています。ですので、私は、指圧を行っている時でも、皆様とお話しするときには、分かりやすさを優先して、「マッサージ」という言葉をつかっています。しかし、「指圧する」ことには強いこだわりをもっています。

シーベルズ大磯でのメニューは「指圧整体マッサージ」にしています。私の手技療法のベースである「指圧」と、整体(碓井流活法)を組み合わせて施術していることと、皆様がイメージしやすい「マッサージ」という言葉を組みあわせました。「指圧」が名前の一番最初にあるのは偶然なのですが、少し考えてみると、「指圧」のこだわり無意識に出てしまったのかもしれません。

 最初に勤めた治療院の先代の院長は、私は直接お会いしたことはありませんが、指圧を創設した浪越徳治郎先生の孫弟子で、浪越先生にも指圧をされたことがあり、お褒めの言葉をいただいたことがあるそうです。治療院には、浪越先生の色紙が飾られていました。私の年代で、浪越徳治郎先生といえば、「天才・たけしの元気が出るテレビ!」での「ジェット浪越」がすぐにイメージが湧きますが、まさか自分が浪越徳治郎先生のDNAを継ぐことになるとは夢にも思いませんでした。ちなみに、共演していたエンペラー吉田というお爺さんがよく言っていた「えらくなくとも正しく生きる」という言葉は、なぜか少年だった私の心に響き、今でも座右の銘の一つになっております。

その治療院を辞めた後、「キッツ鍼灸治療院 金沢文庫店」の院長として4年間施術をしてきて、「先生のマッサージは他とは違う」「痛いけどすごくすっきりする」「効果が長持ちする」などのお言葉を頂くことができました。まだまだ修行の身で恥ずかしい限りですが、大変嬉しく思っております。それは、やはり伝統ある治療院で指圧を勉強してきて、「圧(あつ)」のこだわりが人一倍あったからなのかなと思っています。